美しい町並みと食べ物の美味しさで、日本人から人気の高い国と言えば、イタリア。気候も温暖で、世界遺産に登録されている建造部も多く、海や山や田園風景といった風光明媚な地方もあり、実に魅力的な国です。とはいえ、「治安があまりよくない国」との不名誉なレッテルを張られていることも事実です。本当にイタリアはそんなに危険な国なのでしょうか?今回は、そんなイタリアの治安に関する情報をご紹介します。
目次
気になるイタリアとその治安
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イタリアは、あまり治安がよくないと言われています。イギリスのエコノミストという出版社の分析によると、「平和度指数ランキング」は世界34位。ヨーロッパ諸国の中でも最下位とは言えないまでも、お世辞にもいいとは言えません。それでも、外務省の海外安全ホームページでは、危険レベルは0。主にスリやひったくりや置き引き、ぼったくりや詐欺などの軽犯罪で、命にかかわるような危険はありません。とはいえ、バイクを使ったひったくりにカバンごと引きずられて大けがをした例もあるので、注意が必要です。
イタリア主要都市の治安
イタリアの治安が良くないといっても、軽犯罪にとどまると書きましたが、どんなところが危ないかというのは、実際に行ってみないと見当がつかない、という方もいるでしょう。こちらでは、日本人が観光でよく訪れる主要都市についての治安をご覧ください。
ローマの治安
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世界中からの観光客の集まるローマでは、観光地付近はスリやひったくりは至る所にいて、常にカモとなる観光客を狙っています。観光地へ向かうバスや地下鉄の中では、観光客と見ると狙うスリがそこここに。扉の近くはそのまま荷物を持って逃走されやすいので避けましょう。
また、バチカン市国近辺では、ジプシーの子供達に取り囲まれてひったくられたり、親切に道案内するふりをして、油断させるタイプのスリもいます。
フィレンツェの治安
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フィレンツェのシンボル、ドゥオーモ。観光客が多いその周辺からウフィツィ美術館前を通りヴェッキオ橋にかけてのあたりは、スリやひったくりの多い場所です。アイスクリームをかけられて、気を取られている間に貴重品を盗まれる、という手口もあるので、注意が必要です。
ベネチアの治安
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水の都ベネチアではゴンドラが有名ですが、乗船料を吹っ掛けてくる船頭もいます。高すぎると思ったら、毅然とした態度で断りましょう。また、観光客の多いサン・マルコ広場や水上バスの中でのスリの被害も多くなっています。
ナポリの治安
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ナポリでは車の運転の仕方も荒っぽく、クラクションの音もよく聞こえてきます。しかし、歩いての観光は危険と言われる理由はそれだけではありません。バイクで後ろからカバンを狙うひったくりが多いことでも有名です。カバンを車道と反対側にかける、後ろも気を付けながら歩くなど、自衛策を講じましょう。
ミラノの治安
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ミラノ犯罪件数ではイタリアの中でもローマと並び、北イタリアでは1番多くなっています。ドゥオーモからお洒落な雰囲気のお店の立ち並ぶヴィトーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア地域は特に気をつけるようにしましょう。
シチリアの治安
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シチリアというとマフィアを思い浮かべるかもしれません。しかし、実際に観光地でマフィアの姿を目にすることはありません。ただし、スリやひったくりの被害は多く、また、車上荒らしもいます。人通りの少ない裏通りなどは避けたほうが安心です。
イタリアで治安に気を付けるべき場所
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同じ都市でも、エリアによって全く治安が違うということはよくあります。全体的に共通して気を付けるべき場所は、人の多く集まる場所、観光客の多い場所ということです。空港、駅、観光地がそれにあたります。商店や飲食店の並ぶ繁華街も注意が必要です。また、公共交通機関を使う際は、くれぐれもスリやひったくりに気を付けてください。また、レストランなどではぼったくりの被害に遭った例もあります。会計は必ず内容をチェックしてから済ませるようにしましょう。
イタリアの治安で気を付けるべきポイント
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大都市はどこでもスリやひったくりの被害の多いイタリアですが、ちょっとした心がけ次第で被害を避けることができます。こちらでは、ご自分の身を守るために必要なコツをご紹介します。
貴重品の管理の徹底はマスト!
街中では、常に貴重品の管理に気をつける必要があります。バッグは斜め掛けをする、デイパックやリュックは背負わず、前掛けして抱え込むように持つなど手を離さないようにしましょう。道を歩く際は、車道側に荷物を持たないことも基本です。男性なら、胸ポケットやズボンの後ろのポケットに財布や携帯を入れることも避けましょう。また、絶対に荷物を置いたまま席を立つことはしないでください。
財布は出したらすぐしまう、携帯電話や財布をテーブルの上など目に付く場所に置かない、カバンはイスにかけたり手の届かない場所に置いたりしない、などといった基本的なことに気をつけ、「貴重品は常に手元に置く!」を基本にしましょう。
現金の持ち歩きはNG!
日本では財布に数万円入っていることが当たり前ですが、イタリアでは危険です。イタリアではホテルや大型商店以外でもカードを使える場所がたくさんあります。現金はほとんど使う機会がないほどなので、大量の現金を持ち歩く必要はありません。どうしても現金が必要な場合は10ユーロ単位ぐらいの小額紙幣にして、なるべくすぐに使いましょう。
また、ATMを使う際は、道路際のものは避け、必ず銀行内に設置されている物を利用するようにしましょう。道路際はひったくられたらすぐに逃げられてしまうのに対し、銀行内なら監視カメラもついていますし、犯人の逃走経路も限られています。
携帯電話は要注意!
携帯電話を食事中などにテーブルの上に置くことは避けましょう。また、使用中の携帯電話を街中やバスなどのドアの閉まる寸前に持ち逃げされる被害は頻繁に起きています。くれぐれも注意して管理してください。
車はできれば避けたほうがベター
レンタカーを借りて自分たちだけで旅をすることは気楽でよいのですが、交通安全と治安の意味ではあまりおすすめできません。イタリアでは赤信号を無視したり、急停車や急発進、急な車線変更など荒っぽい運転をするドライバーがたくさんいます。
また、赤信号で停止している間に、後部座席の荷物を盗られたり、観光をしている間にトランクの中身を全て持って行かれたりすることもあります。運転中は必ずロックする、トランクの中に盗まれて困るものを入れないなどの、注意が必要です。
もしもトラブルに巻き込まれたら
いくら気を付けても、トラブルに遭ってしまう可能性はゼロとは言えません。ひったくりに遭い、その際に転んでケガを負ってしまう可能性もあります。
そのため、もしもに備え、海外旅行保険に入ることをおすすめします。体調を崩したり、事故やひったくりに遭ってケガをしたりしても、病院に関するサポートが受けられますし、万が一旅行を続けるために必要な荷物を全て盗まれたり、車のガラスを割られたりドアを壊されたりしても、保証が受けられます。また、加入方法に関しても、クレジットカードに付帯しているものがあるので、出発前にカードさえ準備しておけば、面倒な保険の加入の手続きも必要ありません。
まとめ
ちょっとしたことに気をつけるだけで、安全に旅をすることは可能です。こちらの情報を参考に治安に気を付け、危ない地域には近寄らないようにしたり、荷物の管理方法に気をつけたりすることで、ほとんどのトラブルは避けられます。くれぐれも気をつけて、楽しいご旅行を!